〜「遺品」〜

遺品の整理って、どれぐらい時間が経ったらしていいものなのかわからない。



目安なんてないのかもしれない。生きてる人間が心の区切りをつける為だったり、整理することでケジメがつけられるものだったりするのだろうから。



裏をかえせば、遺品に手をつけないでそのまんまにしてあるってことは、心に区切りもケジメもつけたくない心情の表れなんだろう。


一昨日、三回忌法要が終わったあと実家に立ち寄ったのだけど、ビックリしたのとやっぱりなってかんじだった。



母の物が何ひとつ片付けられていなかった。
洋服、着物、小物、下着の果てまでそのまんまだった。



高齢だから片付けるのが億劫だということもあるんだろうけど、どうも父の性格からいうと面倒くさいのではなく執着心のように思えてならない。



私は父に言った。
亡くなった後いつまでもいつまでも遺品を遺しておくと、亡くなった本人が成仏できないって言うよ!って。



私たちが片づけてもいいのだけど、たぶん父は遺しておきたいのだ。